溶接継手で、応力を有効に伝達させられる溶接金属の断面厚さのこ
と。単にのど厚といえば設計上の(理論)のど厚をいう。
溶接継手で、応力を有効に伝達させられる溶接金属の断面厚さのこ
と。単にのど厚といえば設計上の(理論)のど厚をいう。
突合せ溶接や隅肉溶接において、表面から余分に盛り上がった溶着
金属をいう。溶接の基本は、のど厚以上の溶接断面があることであ
るが、過大な余盛は応力集中を招きやすい。
溶接時に生じやすい溶接欠陥を避けるために溶接端部に取り付ける
材料。従来は鋼製のものが多かったが、セラミック製(セラミック
タブ)や鋼板製などもある。鋼製のものは溶接終了時には切断して
滑らかに仕上げる。
溶接欠陥の一つで、溶接金属内部水素・炭酸ガスなどが凝固して生
じた空洞。気孔[きこう]ともいい、数mm程度の球状欠陥となる。
1mm以下の大きさのものをピンホールといい、溶接内部に発生する
欠陥の50%程度を占める。ピットは、ブローホールが溶接表面に開
口して現れた欠陥のこと。
溶接の裏側に溶融金属が抜け落ちるのを防ぐ鋼材。鉄骨の溶接では
柱梁接合部であるT継手や十字継手、角継手などに多く用いられる。
マグ溶接の場合、密着しすぎるとブローホールを誘発する。
溶接前の溶接棒の被覆剤やフラックスが溶接後にビード表面を被覆
している非金属物質。スラグは溶接金属内を清浄化するために使用
され、溶接後のピード表面を覆つて、大気とのシールドを保持する
役目がある。
割れの発生や硬化などを防止するため、溶接前に溶接周辺部を一定
の温度範囲に加熱・保持しておく処置のこと。鋼材は強度が高いは
ど合金成分が多く、予熱温度が熱いほど急冷されやすいため硬化し、
割れやすくなる。490N級の鋼材で枚厚が50mm以下であれば予熱は不
要だが、気温が0℃以下の場合は36℃以上に加熱して行う。
突合せ継手において、相互の部材が断面内に納まらない状態。食違
いによって偏心や応力集中を起こすだけでなく、ずれ量がそのまま
のど厚の低下を招く。
溶接棒や溶接ワイヤを溶接方向に対して波形に動かしながら進める
溶接方法。大きなウィービングは、溶接入熱が過大になる傾向があ
り、その結果として靭性や強度の低下が懸念されている。
溶接作業中に、溶接棒や溶接ワイヤから溶接ビード表面上や溶接近
傍の母材周辺部に飛び散った溶融金属の粒。スパッタの発生を抑え
るためには、マグ溶接のノズルにスパッタ防止材を付けて溶接した
り、スパッタ防止剤を溶接近傍の母材に塗布する。