溶接する開先のルート面が溶接される部材と接する部分のこと。溶
接作業では、最初に溶接する層(初層)に当たる部分を指す。
溶接する開先のルート面が溶接される部材と接する部分のこと。溶
接作業では、最初に溶接する層(初層)に当たる部分を指す。
直交する二つの面の隅において三角形の断面をもつ溶接をいう。こ
の強度は突合せ溶接の約半分程度。ルート部や止端部に大きな応力
集中を生じるため、繰返し衝撃荷重を受ける部材には用いない。
溶接継手の種類は、溶接方法・材質・板厚・溶接姿勢・構造・形状
性能などを考慮して、種々の形式が採用される。
スカラツプを用いない溶接施工法。以前はスカラップにより割れな
どの溶接欠陥や材質劣化を防ぐのが常識であったが、現在ではむし
ろスカラップによる断面欠損や応力集中が問題視されている。
2方向からの溶接線が交わる場合に溶接の重なりを避けるため、片
方の部材にあけた扇状の欠込み。スカラツプを設けることで割れや
溶接欠陥、材質劣化を防ぐ。阪神・淡路大震災以降は、スカラップ
底の応力集中を避けるため小さな半径を設けた改良型スカラップが
大半を占める。
溶接順序によって積層された断面状の二つ以上の重なりのこと。手
溶接やマグ溶接などの完全溶込み溶接では、パスを重ねて溶接が行
われる。このほかに、溶接の操作そのものも指し、溶接回数によっ
てシングルパス(ワンパス)とマルチパス(多数パス)に分けられ
る。
溶接において、溶着金属の谷部に沿って母材が溶けて溶接方向に生
じた溝状の表面欠陥。アンダーカットは溶接施工によって少なから
ず発生する溶接欠陥だが、すべてが有害なわけではない。
溶接継手で、応力を有効に伝達させられる溶接金属の断面厚さのこ
と。単にのど厚といえば設計上の(理論)のど厚をいう。
突合せ溶接や隅肉溶接において、表面から余分に盛り上がった溶着
金属をいう。溶接の基本は、のど厚以上の溶接断面があることであ
るが、過大な余盛は応力集中を招きやすい。
溶接時に生じやすい溶接欠陥を避けるために溶接端部に取り付ける
材料。従来は鋼製のものが多かったが、セラミック製(セラミック
タブ)や鋼板製などもある。鋼製のものは溶接終了時には切断して
滑らかに仕上げる。